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S Corp 株式基礎—創業者向け実践ガイド(Beancount.io 例付き)

· 約8分
Mike Thrift
Mike Thrift
Marketing Manager

S法人を運営している場合、株主基礎は損失が控除可能か、配当が非課税かを決定する静かな数値です。毎年変動し、株主としてその管理はあなたの責任です。ここでは平易な説明と、Beancount.io で基礎をきれいにモデル化する方法をご紹介します。


2025-08-06-s-corp-stock-basis-a-practical-guide-for-founders

「基礎」とは何か(簡潔に)

株式基礎を、S法人におけるあなた自身の投資スコアカードと考えてください。最初の拠出金、すなわち株式の取得代金や会社に投入した資産の価値から始まります。その後は変動する数値です。

会社が利益を上げたとき(課税所得でも非課税所得でも、あなたの持分分)や、追加で資本を拠出したときに基礎は増加します。非課税の配当を受け取ったときや、会社が損失・控除・非控除費用を計上したときは減少します。

重要なのは、株式基礎はゼロ未満になることはありません。会社の損失が基礎を上回る場合、余剰損失は繰延されます。現在は控除できませんが、将来基礎が十分になる年に繰り越して使用できます。Form 7203(個人のForm 1040と共に提出)で基礎計算と繰延損失を報告します。

S法人に直接貸付を行っている場合、債務基礎が発生します。これは株式基礎がなくなった後に損失を吸収する第2の層となります。

S法人 と C法人 の基礎(要点)

  • S法人 の基礎は流動的で、毎年調整が必要です。パススルー特性のため、会社の業績が直接基礎に反映されます。利益も損失も基礎に直結します。
  • C法人 の株式基礎は基本的に静的です。取得価格が基礎となり、株式分割や資本還元など特定の企業行為でのみ変動します。

S法人の基礎計算方法(正しい順序)

基礎の計算は単なる足し算・引き算ではなく、正しい順序で行う必要があります。IRS は特定の手順を定めています。毎年、S法人のForm 1120‑S から取得した Schedule K‑1 を基に、年初の基礎から次のように調整します。

  1. 増加:課税所得と 非課税所得(例:地方債利子)を含むすべての収入項目。
  2. 減少:その年に受け取った 配当(ただし基礎がマイナスになることはありません)。
  3. 減少非控除費用(例:特定の罰金や接待費)。
  4. 減少損失および控除(例:普通事業損失や慈善寄付)。

Step 4 の損失・控除の合計が残りの基礎を超える場合は按分が必要です。余剰分は繰延され、将来の収入や追加拠出で基礎が回復するまで繰り越されます。

重要なポイント

  • 個人的に 会社の借入を保証 しても基礎は生じません。実際に自己資金で 支払った ときにのみ基礎が発生します。
  • オーナー 給与(S法人からの給与)は基礎に影響しません。これは労働に対する報酬であり、会社側では費用、受取側ではW‑2所得として扱われ、所有者としての立場とは完全に別です。

実例(数値の照合)

当該年度の単一株主の事実:

  • 初期拠出金:$18,000
  • 普通配当(K‑1 ボックス 5a):$2,000
  • 受取配当(K‑1 ボックス 16D):$7,000
  • 非控除費用の持分(K‑1 ボックス 16C):$3,000
  • 普通事業損失の持分(K‑1 ボックス 1):($9,000)
  • 慈善寄付の持分(K‑1 ボックス 12A):$6,000
  • 株主には債務基礎がありません。

以下、ステップごとの計算です:

Step 1 — 収入による増加
開始基礎 18,000に配当収入18,000 に配当収入 2,000 を加算します。
18,000+18,000 + 2,000 = $20,000

Step 2 — 配当による減少
受取配当 7,000を基礎から差し引きます。7,000 を基礎から差し引きます。 20,000 − 7,000=7,000 = 13,000

Step 3 — 非控除費用による減少
非控除費用持分 3,000を差し引きます。3,000 を差し引きます。 13,000 − 3,000=3,000 = 10,000

Step 4 — 損失・控除の適用
普通損失 9,000と慈善寄付9,000 と慈善寄付 6,000 の合計 15,000が残基礎15,000 が残基礎 10,000 を超えるため、按分します。

  • 許容できる普通損失 = 9,000×(9,000 × (10,000 / 15,000)15,000) ≈ 6,000
  • 許容できる慈善寄付 = 6,000×(6,000 × (10,000 / 15,000)15,000) ≈ 4,000

残りの 3,000の普通損失と3,000 の普通損失と 2,000 の慈善寄付は 繰延 され、翌年へ繰り越されます。

当該年度の最終株式基礎は $0 です(マイナスにはなりません)。許容された損失と控除は確定申告書に記載し、繰延分は将来使用するために追跡します。

Beancount.io での S法人 基礎追跡(プレーンテキストパターン)

散らかったスプレッドシートの代わりに、Beancount.io でシンプルかつ監査可能な基礎台帳を直接管理できます。企業帳簿にも個人用ミラーファイルにも配置可能です。ポイントは「メモ」エクイティ勘定を使って基礎の推移を記録することです。

推奨勘定例

  • Equity:Shareholder:Paid-In-Capital
  • Equity:Shareholder:Distributions
  • Equity:Shareholder:Stock-Basis (オフバランスシートの「メモ」勘定で、Form 7203 用の公式な基礎推移を追跡します)
  • Income:PassThrough:*
  • Expenses:Nondeductible
  • Expenses:Charitable

実例エントリ

初期拠出金:

2023-01-01 open Equity:Shareholder:Paid-In-Capital
2023-01-01 open Equity:Shareholder:Distributions
2023-01-01 open Equity:Shareholder:Stock-Basis
2023-01-01 open Income:PassThrough:*
2023-01-01 open Expenses:Nondeductible
2023-01-01 open Expenses:Charitable

初期拠出金:

2023-01-02 * "Initial capital contribution"
Equity:Shareholder:Paid-In-Capital $18,000.00
Equity:Shareholder:Stock-Basis $18,000.00

普通配当(K‑1 ボックス 5a):

2023-03-15 * "Ordinary dividend"
Income:PassThrough:Dividends $2,000.00
Equity:Shareholder:Stock-Basis $-2,000.00

受取配当(K‑1 ボックス 16D):

2023-06-30 * "Distribution received"
Equity:Shareholder:Distributions $7,000.00
Equity:Shareholder:Stock-Basis $-7,000.00

非控除費用の持分(K‑1 ボックス 16C):

2023-09-01 * "Nondeductible expense allocation"
Expenses:Nondeductible $3,000.00
Equity:Shareholder:Stock-Basis $-3,000.00

普通事業損失と慈善寄付の持分(K‑1 ボックス 1 と 12A):

2023-12-31 * "Losses and charitable contribution allocation"
Expenses:Charitable $6,000.00
Expenses:Loss:Ordinary $9,000.00
Equity:Shareholder:Stock-Basis $-15,000.00

このパターンは Equity:Shareholder:Stock-Basis 勘定に透明な 基礎推移 を保持し、Form 7203 と正確に連動させます。すべての変更が日付付きで追跡可能なため、監査人に好評です。

よくある落とし穴

  • 保証を基礎とみなす:会社への保証は基礎を生みません。実際に自己資金で 支払った ときにのみ基礎が発生します。
  • 基礎不足での配当受取:基礎が足りない状態で配当を受け取ると、控除できない損失が発生します。
  • 非課税所得の忘却:非課税所得(例:地方債利子)を基礎計算に含めないと、基礎が過小評価されます。
  • 給与と配当の混同:オーナー給与は基礎に影響せず、会社の費用およびW‑2所得として扱われます。配当とは別物です。

結論

基礎は S法人 の税務上の重要な指標であり、正しい手順で計算・管理することが不可欠です。Beancount.io を活用すれば、プレーンテキストで監査可能な基礎台帳を簡単に構築できます。

Beancount.io で基礎(およびその他)を整頓する

  • バージョン管理可能で監査可能なプレーンテキストの複式簿記。
  • K‑1 に対応したカテゴリと基礎追跡用の専用メモ勘定。
  • 銀行・クレジットカード・決済プロセッサからの自動インポートで手入力を削減。
  • 税務用レポートがそのまま税理士に利用可能。

今すぐ Beancount.io でクリーンかつ監査可能な S法人ワークフローを始めましょう。

本記事は情報提供のみを目的としており、税務または法的助言を構成するものではありません。具体的な状況に応じた助言は、専門のアドバイザーにご相談ください。