売上高と費用の合計を入力し、売上総利益、営業利益、純利益を計算して、多段階式の損益計算書を作成しましょう。以下のセルごとの手順では1枚のワークシートを使い、数値例では入力済みの金額で計算式を検算できます。
Excelを開く前に、次の準備をします。
- 報告期間と通貨を決め、元帳または試算表、売上記録、費用明細を集めます。
- 会計処理の基準を明記します。現金主義では一般に入金時に、発生主義では一般に収益を獲得した時点で収益を認識します。計算書全体で同じ基準を使ってください。IRSの会計方法ガイドでは、米国の税務上のルールと例外を説明しています。
- 銀行と決済サービスの残高を照合し、売上や費用を借入金の受取、事業主の出資、引き出しと区別します。
- 各取引は1回だけ記録します。発生主義の売上では収益と売掛金が発生します。その売掛金を後で回収しても変わるのは現金であり、再び売上を計上するわけではありません。請求書を発行しただけでは、収益を獲得したことにはなりません。
もし現金主義(受け取り時収益、支払い時費用)でスプレッドシートの帳簿をつけているなら、以下のダウンロード可能なキャッシュブックには、銀行の入出金明細に連動した月次損益シートが含まれています。このガイドのセル単位のテンプレートと併用し、準備ができたらCSV経由で移行してください。
損益計算書とは?
損益計算書は、一定期間における会社の収益、費用、利益または損失をまとめた財務書類です。通常は月次、四半期、年次で作成します。貸借対照表、キャッシュフロー計算書とともに、企業が整備すべき3つの主要な財務諸表の1つです。
損益計算書の基本となる式は単純です。
純利益 =(収益合計 + 利得)-(費用合計 + 損失)
この計算で、その報告期間に事業が利益を上げたのか、損失を出したのかという最終結果がわかります。ただし、損益計算書の本当の価値は内訳にあります。どこから収益を得て、何にお金を使ったのかを詳しく把握できるのです。
Income StatementとProfit and Loss Statementの違い
英語では異なる名称を耳にするかもしれませんが、Income StatementとProfit and Loss(P&L)Statementはどちらも損益計算書を指します。通常は、文書の正式さや使用する場面によって呼び方が変わります。
- Income Statementは、監査済み財務諸表、規制当局への提出書類、会計の専門的な場面で使われる正式な名称です。
- **Profit and Loss Statement(P&L)**は、小規模事業、社内報告、日常業務でよく使われます。
どちらの名称を使っても、構成と項目は同じです。同じ形式で収益、費用、純利益または純損失を記録します。
事業に損益計算書が必要な理由
損益計算書は、会計士や税務申告の担当者に提出するだけの書類ではありません。事業にとって、次のような重要な役割を果たします。
財務業績の推移を追う
損益計算書は、事業の収益性の履歴になります。異なる期間を比較すると、傾向、季節性、成長の軌跡が見えてきます。売上は増えているでしょうか。費用は売上以上のペースで増えていないでしょうか。こうした点は、継続的に業績を記録してこそわかります。
根拠に基づいて経営判断をする
従業員を増やすべきか、新市場に進出する資金はあるか、価格戦略は機能しているか。損益計算書は、これらを判断するための財務データを提供します。どの製品やサービスが多くの利益を生み、どの費用を見直すべきかがわかります。
投資家を引き付け、資金調達につなげる
銀行、投資家、融資機関は、事業の財務健全性や継続可能性を評価するために損益計算書を求めます。適切に整備されたP&Lは、しっかりした財務管理を示し、融資申請、投資提案、提携交渉に必要な資料になります。
税務ルールに対応する
正確な損益計算書は、税務申告の準備を簡単にし、税法に沿った対応を支えます。会計士が事業の申告書を正しく作成するための収益・費用データを提供し、見落としていた控除を発見できる可能性もあります。
財務上の問題を早期に見つける
定期的に損益計算書を確認すると、問題が危機に発展する前に気付けます。利益率の低下、持続できない費用の増加、売上の不足がP&Lに表れ、軌道修正する時間を確保できます。
損益計算書の主要項目
Excelのテンプレートを作成する前に、損益計算書に含める主要な項目を理解しましょう。
1. 売上高
「トップライン」とも呼ばれる項目で、製品やサービスの販売など、本業から得た収益を示します。最初に表示し、各種控除前の総売上を表します。
物販事業では、可能なら製品群ごとに売上を分けます。サービス事業では、サービスの種類や顧客区分で分類するとよいでしょう。
2. 売上原価(COGS)
売上原価は、販売した製品やサービスを生み出すための直接費です。次のようなものが含まれます。
- 原材料と棚卸資産
- 直接労務費(生産作業員の賃金)
- 製造用消耗品
- 配送費と運賃
- 保管費と倉庫費用
サービス事業では売上原価が少ない、または発生しない場合もあります。一方、小売業や製造業では一般に売上原価が大きく、収益性に強く影響します。
3. 売上総利益
売上高から売上原価を差し引いた売上総利益は、直接的な生産費用を賄った後に残る金額を示します。営業費用を考慮する前の、製品やサービスの基本的な収益力がわかります。
売上総利益 = 売上高 - 売上原価
売上総利益率(売上総利益を売上高で割った値)は、価格設定の効率や生産コスト管理の状況を示します。
4. 営業費用
営業費用は、事業運営にかかる間接的な費用です。売上原価とは異なり、特定の製品の生産に直接結び付くものではありません。代表的な区分は次のとおりです。
- 給与・賃金(管理、営業、サポート担当者)
- 賃借料・水道光熱費
- マーケティング・広告費
- 専門家への報酬(法律、会計、コンサルティング)
- 保険料
- ソフトウェア・IT関連費
- 事務用品費
- 減価償却費・無形資産償却費
- 旅費・接待交際費
費用を明確に分類すると、支出の傾向を分析し、節約できる箇所を見つけやすくなります。
5. 営業利益
営業利益は、本業による収益性を示します。営業外の収益や費用がある場合、EBITとは金額が異なることがあるため、名称を区別してください。
営業利益 = 売上総利益 - 営業費用
この指標は、資金調達の判断や税負担を切り離して営業活動の成果を示すため、企業間の比較や業績の推移の把握に役立ちます。
6. その他の収益・費用
この項目では、通常の営業活動以外の財務的な動きを記録します。
- 投資や預金による受取利息
- 借入金や信用取引にかかる支払利息
- 資産売却による利益または損失
- 為替差損益
- 一時的な費用や特別な項目
7. 税引前利益
営業利益にその他の収益を加え、その他の費用を差し引くと、税引前利益になります。
税引前利益 = 営業利益 + その他の収益 - その他の費用
8. 所得に対する税金費用
報告主体と対象期間に帰属する所得課税の費用を記録します。パススルー事業の事業主個人にかかる所得税が、そのまま事業の費用になるわけではありません。事業体レベルの所得課税費用が発生しない場合、この欄はゼロにします。
9. 純利益
「ボトムライン」は、すべての収益、費用、税金を反映した最終的な利益または損失です。
純利益 = 税引前利益 - 所得に対する税金費用
純利益がプラスなら、その期間の事業は黒字です。マイナスなら赤字です。多くの関係者が財務業績を評価するとき、最初に注目するのがこの数値です。
損益計算書の形式:単段階式と多段階式
損益計算書を構成する標準的な形式は2つあります。
単段階式損益計算書
単段階式では、次の単純な式を使います。
純利益 =(収益合計 + 利得)-(費用合計 + 損失)
すべての収益と利得、すべての費用と損失をそれぞれまとめ、1段階で純利益を計算します。業務がシンプルで項目が少ない小規模事業に向いた、簡潔な方法です。
利点:
- シンプルで作成しやすい
- 短時間で理解できる
- 多くの小規模事業に十分な情報を提供する
- 記録の細分化が少なくて済む
多段階式損益計算書
多段階式では計算をいくつかの段階に分け、売上総利益、営業利益、純利益を個別に示します。財務状況をより詳しく把握でき、中規模から大規模の企業でよく使われます。
利点:
- 売上総利益率がわかる
- 営業活動と営業外活動を区別できる
- 詳細な分析情報を提供する
- 投資家や融資機関に好まれる
多くの小規模事業では、単段階式なら管理しやすさを保ちながら十分な情報を得られます。事業が成長したら、多段階式に移行して財務分析を深めることができます。
Excelで損益計算書を作成する手順
ここから、Excelで見やすい損益計算書テンプレートを一から作成します。この手順では、売上総利益、営業利益、税引前利益の小計を個別に表示する多段階式を使います。
ステップ1:ワークシートの見出しを設定する
新しいExcelファイルを開き、見出し部分を作成します。
- セルA1をクリックし、会社名を入力します。
- セルA2に「損益計算書」と入力します。
- セルA3に報告期間を入力します(例:「2026年12月31日終了年度」)。
見出しの書式を整えます。
- セルA1:B3を選択する
- フォントサイズを14-16ポイントにする
- 文字を太字にする
- 必要に応じて、列をまたいで文字を中央揃えにする
ステップ2:売上高の区分を作成する
5行目から、売上高の区分を作成します。
- セルA5:「売上高」
- セルA6:「製品売上」(または具体的な売上区分)
- セルA7:「サービス売上」(該当する場合)
- セルA8:必要に応じて売上区分を追加
- セルA9:「売上高合計」
B列には各売上区分に対応するドル金額を入力します。セルB9でSUM関数を使い、売上高合計を計算します。
=SUM(B6:B8)
この区分の書式を整えます。
- 5行目を太字にする(区分の見出し)
- 9行目を太字にする(小計)
- 必要に応じて、小計の背景を薄い灰色にする
ステップ3:売上原価(COGS)を追加する
売上高の区分の下に、次の項目を追加します。
- セルA11:「売上原価」
- セルA12:「原材料費」
- セルA13:「直接労務費」
- セルA14:「配送費」
- セルA15:その他の売上原価区分を追加
- セルA16:「売上原価合計」
B列に金額を入力し、B16にSUM関数を設定します。
=SUM(B12:B15)
ステップ4:売上総利益を計算する
- セルA18:「売上総利益」
- セルB18:
=B9-B16
この式で、売上高合計から売上原価合計を差し引きます。行を太字にし、必要に応じて薄い背景色を付け、この重要な小計を目立たせます。
ステップ5:営業費用を並べる
営業費用の区分を作成します。
- セルA20:「営業費用」
- セルA21:「給与・賃金」
- セルA22:「賃借料」
- セルA23:「水道光熱費」
- セルA24:「マーケティング・広告費」
- セルA25:「専門家報酬」
- セルA26:「保険料」
- セルA27:「ソフトウェア・IT関連費」
- セルA28:「事務用品費」
- セルA29:「減価償却費」
- セルA30:「旅費・接待交際費」
- セルA31:必要に応じてその他の費用区分を追加
- セルA32:「営業費用合計」
B列に費用を正の数で入力し、B32で合計します。
=SUM(B21:B31)
ステップ6:営業利益を計算する
- セルA34:「営業利益」
- セルB34:
=B18-B32
これは、その他の収益・費用や税金を反映する前の、本業による利益を示します。
ステップ7:その他の収益・費用を追加する
- セルA36:「その他の収益・費用」
- セルA37:「受取利息」
- セルA38:「支払利息」
- セルA39:「その他の収益」
- セルA40:「その他の収益(費用)合計」
セルB40で、その他の項目の差引額を計算します。
=B37-B38+B39
(受取利息とその他の収益を加え、支払利息を差し引きます)
ステップ8:税引前利益を計算する
- セルA42:「税引前利益」
- セルB42:
=B34+B40
ステップ9:所得に対する税金を差し引く
- セルA44:「所得に対する税金費用」
- セルB44:見積額または実際の税金費用を入力
ステップ10:純利益を計算する
最後の計算です。
- セルA46:「純利益」
- セルB46:
=B42-B44
太字、大きめのフォント、罫線や背景色で目立たせます。これが最終利益であり、計算書で最も重要な数値です。
ステップ11:見やすい書式に整える
読みやすさを高めます。
- 数値の書式:すべてのドル金額を選び、小数点以下2桁の通貨形式にする
- 罫線:区分の間に線を引く
- 背景色:行を交互に塗り分けるか、小計を強調する
- 配置:項目名は左揃え、数値は右揃えにする
- 列幅:A列は項目名が、B列は数値が収まる幅にする
ステップ12:構成比の計算式を追加する(任意)
C列で、各項目が売上高合計の何パーセントに当たるかを計算します。
例えば、最初の売上項目の隣のC6には次の式を入力します。
=IF($B\$9=0,"",B6/$B\$9)
売上高がゼロの場合、売上高を分母にする利益率は定義できないため、この式は空欄を返します。C列をパーセント表示に設定してください。ドル記号($)は売上高合計への絶対参照を作り、式を下方向にコピーできるようにします。
この構成比分析で、どの費用が売上高の大きな割合を占めているかがわかり、改善すべき点を見つけられます。
数値例:すべての小計を検算する
この架空の月次損益計算書では、上記のセル番地と米ドル建ての発生主義の数値を使います。費用は正の数で入力し、計算式で差し引きます。事業体レベルの税金費用として仮定した$1,000は入力例であり、所定の税率を示すものではありません。
| セル | 項目 | 入力値またはExcelの計算式 | 結果(USD) |
|---|---|---|---|
| B6 | 製品売上 | 40000 | 40,000 |
| B7 | サービス売上 | 10000 | 10,000 |
| B8 | その他の売上 | 0 | 0 |
| B9 | 売上高合計 | =SUM(B6:B8) | 50,000 |
| B12 | 原材料費 | 16000 | 16,000 |
| B13 | 直接労務費 | 6000 | 6,000 |
| B14 | 直接配送費 | 1000 | 1,000 |
| B15 | その他の売上原価 | 0 | 0 |
| B16 | 売上原価合計 | =SUM(B12:B15) | 23,000 |
| B18 | 売上総利益 | =B9-B16 | 27,000 |
| B21 | 管理部門の給与 | 8000 | 8,000 |
| B22 | 賃借料 | 2000 | 2,000 |
| B23 | 水道光熱費 | 500 | 500 |
| B24 | マーケティング費 | 1000 | 1,000 |
| B25 | 専門家報酬 | 500 | 500 |
| B26 | 保険料 | 500 | 500 |
| B27 | ソフトウェア費 | 300 | 300 |
| B28 | 事務用品費 | 200 | 200 |
| B29 | 減価償却費 | 1000 | 1,000 |
| B30 | 旅費 | 0 | 0 |
| B31 | その他の営業費用 | 0 | 0 |
| B32 | 営業費用合計 | =SUM(B21:B31) | 14,000 |
| B34 | 営業利益 | =B18-B32 | 13,000 |
| B37 | 受取利息 | 100 | 100 |
| B38 | 支払利息 | 600 | 600 |
| B39 | その他の収益 | 0 | 0 |
| B40 | その他の収益(費用)の純額 | =B37-B38+B39 | -500 |
| B42 | 税引前利益 | =B34+B40 | 12,500 |
| B44 | 所得に対する税金費用 | 1000 | 1,000 |
| B46 | 純利益 | =B42-B44 | 11,500 |
検算すると、売上高50,000 − 直接費23,000 − 営業費用14,000 + 受取利息100 − 支払利息600 − 税金1,000 = 純利益11,500となります。純利益率は11,500 / 50,000 = **23%**です。これは架空の入力値による結果であり、業界の目標値ではありません。
直接労務費6,000を管理部門の給与に再度入力しないでください。また、利益11,500は必ずしも銀行残高の増減と一致しません。未回収の顧客請求書、未払いの請求書、設備購入、借入元本などによって、現金は利益とは異なる動きをします。事業全体の損益計算書を作成する前に直接費を配賦する専門工事業の例は、電気工事業の工事別原価計算をご覧ください。
損益計算書で避けたい一般的な間違い
しっかりしたテンプレートがあっても、いくつかの落とし穴が正確性を損なうことがあります。
データ入力の誤り
数字の入れ替え、小数点の見落とし、入力ミスは財務諸表を歪めます。入力したすべての金額を元の書類と照合してください。確定前に別の人に数値を確認してもらうことも検討しましょう。
収益と費用の誤分類
項目を誤った区分に入れると、財務状況を誤って伝えてしまいます。よくある間違いには次のものがあります。
- 資本的な資産購入を営業費用に計上する
- 売上原価と営業費用を混同する
- 個人の支出と事業の費用を混ぜる
- 借入元本の返済を費用に分類する(費用になるのは利息のみ)
正しい会計上の分類を学ぶか、会計士に相談して正確に処理しましょう。
減価償却・無形資産償却の計上漏れ
設備、車両、建物などの長期資産は、時間とともに価値が減少します。減価償却は資産の取得原価を耐用年数にわたって配分するもので、この非現金費用を損益計算書に表示する必要があります。同様に、特許やのれんなどの無形資産も償却します。
これらの償却を省くと、費用を過少に、純利益を過大に計上し、実態以上に良好な財務状況を示してしまいます。
報告期間の不統一
正しく比較するために、期間を統一します。月次の損益計算書なら、それぞれが正確に暦月1か月を対象とするようにしてください。前年比を確認するときは、同じ日付の範囲を使います。
収益や費用の計上漏れ
記録が不完全だと、計算書も不正確になります。次のものを含め、すべての収益と費用が記録されているか確認します。
- 現金売上とクレジットカード売上
- オンライン決済サービスの取引
- 請求書と入金記録。発生主義の売上を二重計上しないように照合する
- すべての事業経費の領収書
- サブスクリプションや継続的な料金
裏付け資料の不足
損益計算書のすべての数値は、領収書、請求書、銀行明細、会計システムのレポートなど、元の資料までたどれる必要があります。資料がなければ、正確性を確認したり、監査時に数値の妥当性を説明したりできません。
比較データを載せない
当期のデータしかない1列の損益計算書では、気付きを得る機会を逃します。前月、前四半期、前年との比較や、予算と実績の比較を載せ、傾向や差異を把握しましょう。
3列目に前年の実績を追加すると、前年比の増減率を計算しやすくなります。
損益計算書を効果的に活用する
計算書を作成するだけでは十分ではありません。示された内容を分析し、行動に移すことに価値があります。
主要な財務比率を計算する
損益計算書から重要な指標を求めます。
-
売上総利益率 =(売上総利益 / 売上高)× 100 価格設定力と生産効率を示します。
-
営業利益率 =(営業利益 / 売上高)× 100 営業活動の効率を示します。
-
純利益率 =(純利益 / 売上高)× 100 全体的な収益性を示します。
これらの比率を業界の基準と比較し、時間の経過に沿って追跡します。
傾向やパターンを見つける
複数の期間を通じて、次のようなパターンを探します。
- 売上高は増加、横ばい、減少のどれか
- どの費用区分が最も速く増えているか
- 季節変動は収益性にどう影響しているか
- 利益率は改善しているか、悪化しているか
競合と比較する
競合他社の正確な財務情報は入手できなくても、業界団体や同業者団体が業種別の平均的な財務比率を公表していることがあります。自社の指標を業界水準と比較して、強みと弱みを把握しましょう。
データに基づいて意思決定する
損益計算書から得た情報を戦略に生かします。
- 利益率の高い製品があれば、マーケティングで重点的に扱う
- 特定の費用が急増していれば、削減策を検討する
- 季節的な落ち込みを予測できるなら、それに合わせて現金を確保する
- 売上で費用を賄えていなければ、価格を調整するか費用を減らす
定期的に確認する
年末まで損益計算書の作成を待たず、定期的に確認する予定を組みます。
- 月次:継続的な監視と迅速な軌道修正
- 四半期:詳しい分析と傾向の把握
- 年次:全体の振り返りと税務申告の準備
継続的に確認することで、問題を早く見つけ、機会を素早く生かせます。
損益計算書を改善するExcelのコツ
名前付き範囲を使う
重要なセルには、B9、B16などの番地だけでなく、意味のある名前を付けます。
- セルB9を選ぶ
- 数式バーの左にある名前ボックスをクリックする
- 「TotalRevenue」と入力し、Enterキーを押す
これで、=GrossProfit-OperatingExpensesという式を=B18-B32の代わりに使えるようになり、理解や検証がしやすくなります。
データの入力規則を設定する
セルに入力できる内容を制限し、入力ミスを防ぎます。
- 数値だけを入力するセルを選ぶ
- 「データ」>「データの入力規則」に進む
- 条件を設定する(例:0から1,000,000までの小数)
これにより、数値欄への文字の誤入力や、非現実的な値の入力を防げます。
数式を保護する
Excelでは、ワークシートの保護を有効にすると、標準設定ではセルがロックされます。まずMicrosoftのワークシート保護の手順に従い、利用者が編集するセルのロックを解除します。
- シートがすでに保護されている場合は、保護を解除します。
- 入力セル(B6:B8、B12:B15、B21:B31、B37:B39、B44)と、編集可能にする見出しセルを選択します。
- **「セルの書式設定」>「保護」を開き、「ロック」**をオフにして確定します。
- 数式セルはロックしたまま、**「校閲」>「シートの保護」を選び、「ロックされていないセル範囲の選択」**を許可します。
- B6には新しい値を入力でき、B9は上書きできないことを確認した後、例の値に戻します。
再利用できるテンプレートを作る
見やすい損益計算書を作成したら、テンプレートとして保存します。
- 入力金額だけを消去し、ゼロまたは空欄にする。小計と純利益の数式はすべて残す
- ファイルを「Income Statement Template.xlsx」として保存する
- 毎月または四半期ごとにテンプレートを開き、新しいデータを入力して対象期間を示す名前で保存する
会計システムと連携する
多くの会計ソフトウェアはExcelにデータを出力できます。取引を1件ずつ手入力する代わりに、レポートを出力し、数式でExcelの損益計算書と出力データを結び付けます。入力時間とミスを減らせます。
条件付き書式を使う
重要な指標を自動的に強調します。
- 純利益のセルを選ぶ
- 「ホーム」>「条件付き書式」に進む
- 「セルの強調表示ルール」>「指定の値より小さい」を選ぶ
- 純利益が0未満(損失)の場合に強調するよう設定する
視覚的な目印があると、重要な情報をひと目で見つけやすくなります。
Excelからの移行を検討するタイミング
Excelは多くの小規模事業で役立ちますが、次の場合は専用の会計ソフトウェアへの移行を検討しましょう。
事業が複雑になったとき
収益源や費用区分、拠点が増えたり、在庫管理が複雑になったりすると、Excelでの管理は煩雑になります。会計ソフトウェアは複雑な処理をより効率よく扱えます。
リアルタイムの報告が必要なとき
Excelは手動で更新する必要があります。銀行口座やPOSシステムと接続された会計ソフトウェアなら、手入力なしでリアルタイムの財務データを得られます。
業務を自動化したいとき
最近の会計プラットフォームは、定期取引の自動処理、AIによる費用分類、レポートの自動生成に対応し、CRMや給与計算サービスなど他の業務ツールとも連携します。
正確性の重要度が増したとき
事業が成長すると、ミスによる損失も大きくなります。専用の会計ソフトウェアには、エラーチェック、監査証跡、ミスを減らす統制機能が備わっています。
複数人で利用する必要があるとき
複数人でアクセスする必要があると、Excelファイルの扱いが難しくなります。会計ソフトウェアなら、適切な権限を設定した安全な複数ユーザーアクセスを提供できます。
財務管理をシンプルにする
正確な損益計算書の作成は、事業の財務健全性を理解する基本です。Excelテンプレートでも高度なツールでも、行動につながる情報を得られるよう、一貫した正確な記録を維持することが大切です。
事業が成長し、財務報告へのニーズが変わっていく中で、Beancount.ioのプレーンテキスト会計は、財務データの透明性と管理の自由を提供します。ブラックボックスやベンダーロックインはありません。無料で始めることで、開発者や財務の専門家がプレーンテキスト会計に移行する理由を確かめてください。
おわりに
損益計算書は、単に会計上必要な書類ではなく、経営判断に役立つ強力な道具です。お金がどこから入り、どこへ出ていくかを理解すれば、収益性と成長につながる判断を下せます。
シンプルなExcelテンプレートから始め、継続的に更新し、定期的に確認しましょう。損益計算書に慣れるにつれて、成功する起業家と苦戦する起業家を分ける財務知識が身に付きます。財務業績を理解するために費やした時間は、より良い事業成果として報われます。
損益計算書は、あなたの事業の財務上の歩みを物語ります。その内容を十分に理解しておきましょう。そこから得られる知見が、事業を単に存続させるだけでなく、繁栄させるかどうかを左右するかもしれません。





