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カスタムリンクとクエリでBeancount体験を向上させる

· 約4分
Mike Thrift
Mike Thrift
Marketing Manager

Beancount は、開発者やファイナンス好きに愛される二重仕訳会計システムで、シンプルさが魅力です。しかし、Fava(Beancount のウェブインターフェース)で、より細かい制御や高速なナビゲーションを求めるユーザーには、カスタムサイドバーリンクと SQL クエリがワークフローを次のレベルへ引き上げます。

このガイドでは、以下を実現する方法を紹介します。

  • Fava のサイドバーにクイックアクセスリンクを追加する
  • 高度なフィルタリングと分析のために SQL クエリを使用する
  • 月次レビューや異常検知のためにワークフローをカスタマイズする

なぜ Fava をカスタマイズするのか?

Fava はすでに美しい Ledger 表示インターフェースですが、ジャーナルが大きくなるにつれて、ショートカットやスマートクエリの必要性も高まります。

解決できる課題

  • 時間範囲を何度も手動で指定する手間
  • ネストされた勘定科目を横断する取引のフィルタリング
  • マイナス残高や異常を迅速に検出したい

✨ カスタムサイドバーリンク

まずは、シンプルなサイドバーショートカットで日々の作業を改善しましょう。これらのリンクは Fava の左サイドバーに表示され、今月の取引や先月の収入といったフィルタビューへ直接ジャンプできます。

Beancount ファイルに以下の行を追加します。

2021-01-01 custom "fava-sidebar-link" "Current Month" "/jump?time=month"
2021-01-01 custom "fava-sidebar-link" "Last Month" "/jump?time=month-1"
2021-01-01 custom "fava-sidebar-link" "Clear All" "/jump?account=&time=&filter="

動作概要

  • Current Month:現在の月にフィルタされた取引ビューを開く
  • Last Month:前月に即座にジャンプ(月末レビューに最適)
  • Clear All:フィルタをリセットし、全エントリを再表示

これらのショートカットにより、手動で時間を入力する手間が省け、Fava の操作感がより流動的かつパーソナライズされます。

🔍 カスタム SQL クエリ

さらに深い洞察が必要な場合は、Fava の SQL インターフェースが非常に強力です。以下は、特定パターンにマッチする勘定科目の マイナス残高 をすべて抽出するクエリ例です。異常取引のフラグ付けに最適です。

SELECT account, units(sum(position)), sum(position)
WHERE number(units(position)) < 0
AND account '.*:BCM:.*'
AND date >= DATE(2021,12,9)
AND date < DATE(2022,1,9)

クエリの構成要素

  • account '.*:BCM:.*':名前に :BCM: を含む勘定科目をフィルタ
  • number(units(position)) < 0:マイナス残高(例:予算超過)を検出
  • 日付条件で 1 カ月間に絞り込み

活用例

  • 重複経費や誤った仕訳のエラー検出
  • 特定ベンダーやカテゴリの監査
  • 予算策定のための実用的インサイト抽出

🛠 プロのコツ:リンクとクエリを組み合わせる

Fava ではカスタムクエリへの直接リンクは作れませんが、以下の手順で月次レビュー習慣を構築できます。

  1. 「Current Month」リンクでレビューを開始
  2. 別ペインで保存済みクエリタブを開く
  3. まずフィルタを適用し、次にクエリで詳細分析

この組み合わせにより 異常を早期に捕捉 し、Ledger のクリーンさを維持 できます。

最後に

Beancount はミニマル設計ですが、こうした小さな拡張で効率は飛躍的に向上します。予算の見直し、奇妙な残高のデバッグ、クリック数の削減など、カスタムリンクと SQL クエリは「パワー」を増し「摩擦」を減らします。

ボーナス:もし Fava のカスタムレポート を利用しているなら、個人のファイナンス習慣に合わせたダッシュボードも構築可能です。

さあ、コントロールを手に入れましょう!

まずは小さく始めてみてください。 「Current Month」リンクを追加し、次に自分だけのクエリを作成。将来の自分が感謝するはずです。

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