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減価償却累計(Beancount 用):実践的なプレーンテキストガイド

· 約7分
Mike Thrift
Mike Thrift
Marketing Manager

会計で固定資産(ノートパソコン、カメラ、機械、オフィス家具など)を管理している場合、帳簿はそれらの価値減少を反映する必要があります。これには、減価償却(費用)とその累計である 減価償却累計 の2つの重要概念が関わります。本ガイドでは、これらを平易な言葉で解説し、Beancount でのモデル化方法をコピー&ペースト可能な例とともに示し、強力な自動化オプションも紹介します。

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減価償却累計とは?

減価償却累計 は、資産が使用開始された日から記録された減価償却の総額です。累積的な合計と考えてください。新たな費用項目ではなく、対象資産に対して過去に計上された減価償却の合計です。

財務諸表では、減価償却累計は資産の取得原価と対になって表示されます。これにより、帳簿を見る人は 取得原価(支払った金額)と 帳簿価額(現在の帳簿上の価値)の両方を把握できます。

重要な点は、減価償却累計が 貸方資産(contra-asset) 勘定であることです。一見複雑に思えるかもしれませんが、シンプルです:

  • 「資産」勘定であるため、勘定科目表の Assets セクションに位置します。
  • しかし、貸方残高(Beancount の資産勘定では負の値)を持ち、関連する固定資産の価値を 減少 させます。

貸借対照表での表示場所は?

減価償却累計は通常、関連する固定資産の直下に貸借対照表に表示されます。例:

Equipment: Computers$10,000
減価償却累計$2,000
帳簿価額$8,000

多くの財務諸表では、「有形固定資産(純額)」 のように単一行で簡略化して表示します。この数値は、すべての資産の取得原価合計から総減価償却累計を差し引いたもので、最終的な 帳簿価額 を示します。

減価償却はどのように計算するか?

減価償却の計算方法は複数あり、選択した方法により各期間の費用計上額が決まり、結果として減価償却累計に加算されます。代表的な2つの方法は次のとおりです:

  • 定額法(Straight-Line, SL):最もシンプルで一般的な方法です。資産の耐用年数全期間にわたり、取得原価を均等に費用化します。例として、取得原価3,000ドル、耐用年数36か月(3年)のノートパソコンは、月額83.33ドルで減価償却します。
  • 税務上の方法(例:米国のMACRS):税務上は、政府が定めた加速償却スケジュールが使用されます。米国では、Modified Accelerated Cost Recovery System(MACRS)により、資産の初期年に大きな減価償却が認められます。Beancount でもこれらのスケジュールを扱えますが、公式表(IRS Publication 946 など)に基づいて金額を算出し、対応する仕訳を生成する必要があります。

式(定額法)

期間減価償却 = fractext取得原価text残存価額text耐用年数\\frac{\\text{取得原価} - \\text{残存価額}}{\\text{耐用年数}}

減価償却累計(日時 t 時点) = sum(text期間減価償却(tまで))\\sum (\\text{期間減価償却(t まで)})

残存価額 は、耐用年数終了時点での資産の推定残存価値です。簡便のため、ゼロと見なすことが多いです。

Beancount のやり方:取得原価と減価償却累計のモデル化

Beancount で固定資産を正しく管理し、取得原価を保持するために、各カテゴリごとに資産勘定を2つ(取得原価用と減価償却累計用)と費用勘定を使用します。

  • Assets:Equipment:Computers:Cost (取得原価を保持)
  • Assets:Equipment:Computers:AccumDep (貸方資産で、時間とともに貸方残高が増える)
  • Expenses:Depreciation:Computers (期間費用を記録)

オプション A:手動定額法仕訳

最も直接的な方法です。すべての仕訳を自分で管理できるため、仕組みの理解に適しています。

1. 必要な勘定を開く

2025-01-01 open Assets:Bank:Checking
2025-01-01 open Assets:Equipment:Computers
2025-01-01 open Expenses:Depreciation

2. 取得原価と減価償却累計を記録

2025-01-01 open Assets:Equipment:Computers:Cost
2025-01-01 open Assets:Equipment:Computers:AccumDep
2025-01-01 open Expenses:Depreciation:Computers

オプション B:自動化された仕訳

Beancount の自動化機能を利用して、減価償却の計算と仕訳生成を自動化できます。以下は、MACRS などの税務上のスケジュールを手動で適用する例です。

; 1. 初回購入を記録
2025-01-01 * "ノートパソコン購入"
Assets:Equipment:Computers:Cost 3000 USD
Assets:Bank:Checking -3000 USD

; 2. 定額法で毎月の減価償却を記録
2025-02-01 * "減価償却(定額法)"
Expenses:Depreciation:Computers 83.33 USD
Assets:Equipment:Computers:AccumDep -83.33 USD

オプション C:税務上のスケジュール(例:MACRS)

税務上の加速償却スケジュールを使用する場合、公式表に基づいて金額を算出し、対応する仕訳を作成します。

; 1. 初回購入を記録(同上)
2025-01-01 * "ノートパソコン購入"
Assets:Equipment:Computers:Cost 3000 USD
Assets:Bank:Checking -3000 USD

; 2. MACRS に基づく減価償却を記録
2025-02-01 * "減価償却(MACRS)"
Expenses:Depreciation:Computers 150.00 USD
Assets:Equipment:Computers:AccumDep -150.00 USD

Beancount のやり方:取得原価と減価償却累計のモデル化

取得原価と減価償却累計を正しく管理するために、次のように勘定を構成します。

  • Assets:Equipment:Computers:Cost – 取得原価を保持
  • Assets:Equipment:Computers:AccumDep – 貸方資産で、時間とともに貸方残高が増加
  • Expenses:Depreciation:Computers – 期間費用を記録

オプション A:手動定額法仕訳

最も直接的な方法です。すべての仕訳を自分で管理できるため、仕組みの理解に適しています。

1. 必要な勘定を開く

2025-01-01 open Assets:Bank:Checking
2025-01-01 open Assets:Equipment:Computers
2025-01-01 open Expenses:Depreciation:Computers

2. 取得原価と減価償却累計の勘定を開く

2025-01-01 open Assets:Equipment:Computers:Cost
2025-01-01 open Assets:Equipment:Computers:AccumDep

3. 初回購入を記録

2025-01-15 * "ノートパソコン購入"
Assets:Equipment:Computers:Cost 3000 USD
Assets:Bank:Checking -3000 USD

4. 定額法で毎月の減価償却を記録

2025-02-01 * "減価償却(定額法)"
Expenses:Depreciation:Computers 83.33 USD
Assets:Equipment:Computers:AccumDep -83.33 USD

オプション B:自動化された仕訳

税務上のスケジュールや自動化ツールを利用して、減価償却の計算と仕訳生成を自動化できます。以下は、MACRS に基づく例です。

; 1. 初回購入を記録(同上)
2025-01-01 * "ノートパソコン購入"
Assets:Equipment:Computers:Cost 3000 USD
Assets:Bank:Checking -3000 USD

; 2. MACRS に基づく減価償却を記録
2025-02-01 * "減価償却(MACRS)"
Expenses:Depreciation:Computers 150.00 USD
Assets:Equipment:Computers:AccumDep -150.00 USD

TL;DR

減価償却累計取得原価 を別々の勘定で管理し、Beancount の仕訳で正確に反映させます。手動でも自動化でも、コード例をコピー&ペーストすればすぐに実装可能です。

参考文献

  • 式(定額法)
    期間減価償却 = fractext取得原価text残存価額text耐用年数\\frac{\\text{取得原価} - \\text{残存価額}}{\\text{耐用年数}}
    減価償却累計(日時 t 時点) = sum(text期間減価償却(tまで))\\sum (\\text{期間減価償却(t まで)})

  • 残存価額 は、耐用年数終了時点での資産の推定残存価値です。簡便のため、ゼロと見なすことが多いです。