Beancount ジャーナルエントリ: 方法、定義、例
ビジネスで行うすべての金融取引は記録が必要です――プレーンテキスト会計の世界では、これが ジャーナルエントリ から始まります。もし Beancount を使用しているなら、ジャーナルエントリの理解は正確で監査可能、かつクリーンな財務記録を構築する鍵です。
このガイドでは次の内容を解説します:
- ジャーナルエントリとは何か
- ジャーナルエントリが重要な理由
- Beancount 構文での書き方
- 効果的な活用方法
- 実際の取引例(クライアント支払い、購入、ローンなど)
🧾 Beancount におけるジャーナルエントリとは?
Beancount では、ジャーナルエントリ は人間が読めるプレーンテキスト形式で記述された日付付き取引です。各エントリは 複式簿記 の原則に従い、資金の出所(クレジット)と行き先(デビット)を記録し、帳簿が常にバランスするようにします。
例:
2024-06-01 * "Client payment for invoice #123"
Assets:Bank:Checking 600.00 USD
Income:Sales
*
は確定取引を示します。- 説明文はエントリの文脈を示します。
Assets:Bank:Checking
がデビットされます。Income:Sales
がクレジットされます(金額は暗黙的)。
すべてのエントリは .beancount
ファイルに保存されます――テキストファイルなのでバージョン管理やバックアップ、Vim や VSCode での編集が可能です。
📒 ジャーナルエントリが重要な理由
ジャーナルエントリは元帳の最小単位です。
それらは:
- 総勘定元帳 と 勘定残高 に反映されます
- すべてのレポート(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー)の基礎となります
- 各ドルを行単位でソースまで遡ることができます
適切なツールを使えば、これらの取引は UI 上でカテゴリ別、検索可能、フィルタ可能に表示されます。しかし、すべてはこのシンプルなプレーンテキストエントリから始まります。
📚 複式簿記の仕組み(Beancount)
Beancount は 複式簿記 を強制します。すべての取引はバランスが取れていなければなりません:デビット合計 = クレジット合計。
簡単なルール:
- デビット は資産と費用(現金が増える、またはコストが発生する)
- クレジット は収益と負債(収入が増える、または負債が増える)
例 – オフィス用品購入:
2024-06-02 * "Bought printer ink"
Expenses:OfficeSupplies 100.00 USD
Assets:Bank:Checking
🧠 エントリの可視化
保存すると、https://beancount.io/ledger/0/income_statement/ の左側ナビゲーションに次が表示されます…
- ジャーナルビュー: 検索、タグ、フィルタで取引を確認
- 勘定フィルタドロップダウン: 勘定ごとの残高とエントリを表示
- 損益計算書:
Income:*
とExpenses:*
の合計 - 貸借対照表: 資産から負債を差し引いた結果
Fava は生の Beancount エントリをレポートに変換し、データベースのセットアップは不要です。
💡 よくあるジャーナルエントリ例
✅ クライアントからの入金
2024-06-05 * "Payment for invoice #456"
Assets:Bank:Checking 1,200.00 USD
Income:Consulting
※売掛金を使用する場合:
2024-05-20 * "Invoice #456 sent"
Assets:AccountsReceivable 1,200.00 USD
Income:Consulting
2024-06-05 * "Payment for invoice #456"
Assets:Bank:Checking 1,200.00 USD
Assets:AccountsReceivable -1,200.00 USD
🖨️ オフィス用品の購入
2024-06-07 * "Staples run"
Expenses:OfficeSupplies 85.00 USD
Assets:Bank:Checking
🏦 ローン返済
たとえば、総額 1,000 USD の返済で、利息 200 USD、元本 800 USD とします:
2024-06-10 * "Loan repayment"
Liabilities:Loan -800.00 USD
Expenses:LoanInterest 200.00 USD
Assets:Bank:Checking -1,000.00 USD
🔒 年末決算の締めエントリ
「帳簿を閉じる」際には、通常すべての Income
と Expenses
勘定を Equity
に振り替えます:
2024-12-31 close Income:*
2024-12-31 close Expenses:*
手動で行う場合:
2024-12-31 * "Close books"
Equity:RetainedEarnings 45,000.00 USD
Income:Consulting -45,000.00 USD
🛠️ 調整エントリ
発生主義会計 を行う場合、前払費用や未収収益などの 調整エントリ を追加します。
例: 年間 1,200 USD のソフトウェアサブスクリプションを月額 100 USD として償却
2024-01-01 * "Annual software payment"
Assets:Prepaid 1,200.00 USD
Assets:Bank:Checking -1,200.00 USD
2024-01-31 * "Monthly amortization"
Expenses:Software 100.00 USD
Assets:Prepaid -100.00 USD
スクリプトや Beancount のツールで自動化できます。
🧰 Beancount: 軽量、監査可能、強力
Beancount は単なる会計ツールではなく、透明なプレーンテキストの金融真実 を提供する考え方です。モダンな元帳システムとして次の特長があります:
- Git でのバージョン管理が容易
- プロプライエタリなデータベース不要で完全にポータブル
- 開発者、フリーランサー、小規模事業に 最適
はじめる準備はできましたか?
Beancount ファイルの冒頭は次のように記述します:
option "title" "My Business Ledger"
option "operating_currency" "USD"
2024-01-01 open Assets:Bank:Checking USD
2024-01-01 open Income:Sales USD
2024-01-01 open Expenses:OfficeSupplies USD
2024-01-01 open Equity:OpeningBalances USD
2024-01-01 * "Initial balance"
Assets:Bank:Checking 10,000.00 USD
Equity:OpeningBalances
その後、お好みの可視化ツールでファイルを読み込めば、結果がすぐに確認できます。
もっと手軽に始めたいですか? テンプレート、インポーター、bean-extract
などのコミュニティツールをご活用ください。
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