第1374条 組み込み利得税(Built-In Gains Tax):C法人からS法人への転換における5年間の認識期間
成功したC法人を15年かけて築き上げたと想像してみてください。その会社は2010年に40万ドルで購入した倉庫を所有しており、現在は120万ドルの価値があります。棚卸資産の帳簿価格は30万ドルですが、小売市場では50万ドルで売れるでしょう。会計士は、二重課税を排除するためにS法人への転換を提案します。あなたはForm 2553を提出し、選択が発効します。その数ヶ月後、買い手が倉庫に対して150万ドルの提示をしてきました。
あなたは売却します。その利益は個人の所得申告にパススルーされ、長期キャピタルゲイン税率が適用されることを期待しています。しかし、実際には、C法人時代に積み上がった値上がり益に対して、個人で支払う税金に加えて、法人側で21%の連邦法人税が課されることを知ることになります。
これが第1374条の「組み込み利得税(Built-In Gains Tax、BIG税)」です。これは経営者が遭遇する可能性のある最も高額なサプライズの一つであり、適切な計画を立てることでほぼ完全に回避可能です。
なぜ第1374条が存在するのか
1958年に議会がS法人を認めた際、単一レベルの課税が行われるパススルー事業体が誕生しました。所得は法人税を課されることなく株主に流れます。対照的に、C法人はエンティティレベルで税を支払い、さらに株主が配当を受け取る際にも課税されるという、古典的な「二重課税」の対象となります。
この違いは、魅力的な策略を生み出します。含み益のある資産を持つC法人がS法人の選択を行い、直ちに資産を売却すれば、二重ではなく一重の課税で済む可能性があるからです。
第1374条はこの抜け穴を塞ぐためのものです。この条文は、「C法人からS法人に転換し、認識期間(Recognition Period)内に含み益のある資産を処分した場合、法人は転換前に蓄積された利益に対して税金を支払わなければならない」と定めています。転換前の値上がり益は、あたかも会社がまだC法人であるかのように扱われます。